「ハワイをやめて沖縄に」首都圏の緊急事態宣言の最終日 観光客でにぎわう沖縄最盛期の5割

» 2021年03月23日 07時49分 公開
[沖縄タイムス+プラス]
沖縄タイムス

 首都圏の緊急事態宣言最終日となった21日、沖縄県内の観光地や那覇市の繁華街では、多くの人出が見られた。那覇空港には次々と観光客が降り立ち、国際通りの土産品店は「すでに最盛期の5割近い人出」と驚く。県内で新型コロナウイルスの感染者が増え、県が「第4波」突入に警戒を強める中、繁華街や観光名所に人が戻り始め、県民に期待と不安が交錯している。

観光客ら多くの人出が見られた那覇市の国際通り=21日午後

 那覇空港の到着ロビー。東京便や福岡便が到着後、スーツケースを手にした家族連れらが続々と姿を見せた。出発ロビーも、県外に向かう人々が列を作った。

 夫や小学6年生の孫息子と家族旅行に来た横浜市の並木淑美さん(62)は「毎年ハワイに行くが、コロナが怖くて沖縄にした。去年も沖縄旅行をキャンセルしたので、ようやくです」と声を弾ませた。南部をドライブする予定で「密にならないように、ゆっくり過ごしたい」と笑顔を浮かべた。

 那覇市の国際通りでは、土産品店主らが「昨日(20日)からかなり人出が増えた」と口をそろえる。牧志の沖縄土産店「フリーゾーン」の儀間巧エリアマネージャーは「お客さんの感染対策も定着しており、このにぎわいが続いてほしい。店もしっかり対策を続ける」と期待を込めた。

 首里城公園では首にカメラを下げた外国人の姿も。同僚の結婚式で東京から来た表俊輔さん(30)は、仲間3人と首里城を初めて訪れた。20日は国際通り近くで沖縄料理を楽しんだが、店内はごった返していたという。沖縄は人口10万人当たりの新型コロナ感染者数が東京より多く、全国2番目に多いと知って驚き「注意しながら観光したい」と気を引き締めていた。

 那覇市内の繁華街にあるコンビニで働く40代女性は「1時間に1人もお客さんがいない時期もあったが、最近は確実に増えた」と話す。中にはマスクをせずレジに並ぶ客もおり「沖縄が好きで来てくれるのはとてもうれしい。感染対策をしっかりしてほしい」と要望した。

 本部町の海洋博公園も、美ら海水族館を中心に人出が戻りつつある。駐車場は約半数がレンタカーだ。家族4人で水族館を訪れた埼玉県の女性(50)は、緊急事態宣言解除後の旅行のつもりが、再延長されたため発令中の移動となった。「周囲に、沖縄旅行するとは言えなかった」と申し訳なさそうに話した。

 娘と孫を連れてきた北谷町の男性(79)は「解除前はすいていると思ったが、意外と人がいる」と不安げに話し「自粛しないととは思うが、こんな我慢が1年以上続くと、みんな外に出たくなるよね」と話した。

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