ワタミ渡邉美樹会長が見据える“コロナ後のマーケティング戦略”攻めの姿勢(1/3 ページ)

» 2021年03月31日 15時52分 公開
[武田信晃ITmedia]

 外食チェーンのワタミは緊急事態宣言の2週間延長を受け、1都3県で営業している直営店全100店のうち、83店舗を休業していた。3月8日から営業時間を午後8時までとして全店で再開。現在は一部の自治体によって時短要請があることからこれに応じ、全店舗を午後9時閉店として営業している。3月、同社は記者会見を開き、渡邉美樹会長兼グループCEOが以下のように語った。

記者会見で話す渡邉美樹会長兼グループCEO

緊急事態宣言の延長で合計15億円の赤字に 

 渡邉会長は、ワタミグループの2021年2月の売り上げは前年比の47.3%に落ち込んだことを明らかにした。居酒屋事業が同31.7%と大きく落ち込んだ一方で、焼肉事業では同109.2%と前年を超え、業態によって大きく差がついたことが明らかになっている。月間の店舗での売り上げについては目安として、「立地にもよるが、かみむら牧場なら月2500万円、焼肉の和民なら1500万円、から揚げの天才なら500万円」だという。

 3月8日から営業を再開した理由については「3月7日に宣言が解除される前提で、多くのキャンペーン、食材・物流の準備をしていた。(他社に)出向させていた100人を呼び戻すなど、営業を再開する態勢をとっていたので、赤字が拡大するのは分かっていても今更、その方針は変えられない」と話した。

 「あと3、4日、(緊急事態宣言の)延長を早く教えてもらえれば、3月8日からの無謀な全店オープンはしなかった。これで新たなダメージを受けてしまった。実際、緊急事態宣言の影響で12億円の赤字が出る見通しだ。この2週間の延長でさらに3億円の赤字が加わるだろう」

焼肉の和民で提供しているA5の和牛カルビ(写真は同社提供)
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