日本で消費される製品の多くは輸入なので、日本国内の状況とは関係なく価格が決まってしまう。つまり今春の値上げは前哨戦である可能性が高く、年後半から来年にかけて、さらに生活必需品の価格は上がっていくと考えられる。そうなると、今後、モノの値段だけが上がり、給料は上がらないという悪夢のような事態になる可能性が十分にある。
これまでの時代は、節約が事態を解決する有力な方法の一つだったが、その概念は崩壊していくだろう。もはや節約だけでカバーできる状況ではなく、年収の絶対値を増やさなければ、今の生活水準は維持できない。スキルアップに成功し、年収が上がっている一部のビジネスパーソンを除き、副業への取り組みはもはや必須になったと考えるべきだろう。
仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。
野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に「貧乏国ニッポン」(幻冬舎新書)、「億万長者への道は経済学に書いてある」(クロスメディア・パブリッシング)、「感じる経済学」(SBクリエイティブ)、「ポスト新産業革命」(CCCメディアハウス)などがある。
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「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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