GMO熊谷社長、「NFT」取引所の開設を宣言 坂本龍一や村上龍も参加(1/2 ページ)

» 2021年06月16日 14時45分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 「NFTはデジタルコンテンツの流通革命だ」——。NFTのマーケットプレイス「Adam byGMO」の提供を進めるGMOインターネットの熊谷正寿社長は、NFTへの期待をこのように話した。デジタルコンテンツの二次流通の場を整備し、コンテンツホルダーが正当な対価を得られる世界を目指す。

 「インターネットの普及によって、コンテンツホルダーの皆様、IPホルダーの人、著作権者の人は、きちんとした対価を得られなくなった。インターネットの影の部分だ。NFTはそれを解決する」

GMOインターネット(GMO)の熊谷正寿社長

 NFTとは、ブロックチェーン上に記録された偽造不可能な所有証明書だ。さらにスマートコントラクトという仕組みを使い、取引条件を付けることもできる。

 熊谷氏は、書籍の流通を例に挙げ、NFTがデジタルコンテンツ流通をどう変えるのかを説明した。中古で本を売った場合、出版社も執筆者も収入を得ることはできない。また、電子書籍は実際には読む権利を買っているものであり、購入者が中古で売ることはできない。しかし、「NFTは二次流通も可能で、中古で誰かが買ったときも著作権者、出版社、どのような人にもプログラムすればお金の支払い方を設定できる」(熊谷氏)。

紙の書籍が電子書籍に変わり、NFTは3番目の段階だと話す

 インターネットの普及によって、クリエーターは海賊版などによって正当な対価を得られず、収益機会を逃してきた。NFTは、「デジタルコンテンツを正しく取引できる場であり、コンテンツ流通の主導権を、著作権や出版権を持った人に戻すことができる」と、熊谷氏は訴える。

NFTならば二次流通でも、コンテンツホルダーや出版社、流通業者にも収益を還元できる課金モデルが可能だとした

 さらにコンテンツホルダーは、部数を限定してオークション形式でコンテンツを販売することで、「新たな資金調達手段をクリエイターにもたらす」(熊谷氏)とした。

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