インタビュー
» 2021年06月23日 14時40分 公開

ダイソンは日本市場をどう見ているのか 新製品「オムニグライド」のデザインエンジニアに聞いた全方向駆動コードレスクリーナー発売(2/4 ページ)

[武田信晃,ITmedia]

ロボットの掃除機との差別化は?

――最近ではロボット掃除機のように勝手に掃除をしてくれる製品もありますね。一方のオムニグライドは、あくまでユーザーが掃除をしなければならず少し面倒な部分もあります。ロボット掃除機と比較して、その面倒さを差っ引いても、なお勝る魅力とは何ですか?

 いい質問ですね。ロボット掃除機は目に見えるごみや全体を掃除する点では長けていると思います。ただ、手が届かない部分まで徹底的に掃除するとか、部屋全体をカバーするとかという意味では、まだまだロボット掃除機よりも勝っていると思います。オムニグライドは布団クリーナーとハンディクリーナーも兼ねていて「1台3役」をこなすなどいろいろな側面で圧倒的な強みを持っています。

――日本人は欧米と比べると床の上で過ごす時間が長いという調査結果も出ているようですが、海外と比較するとどのくらい長いのですか?

 具体的な数字はないのですが、日本には玄関という概念がありますね。必ず靴を脱ぎますから土足では家に上がりません。床の上では素足であったりスリッパを履いたりして過ごします。つまり日本人の掃除の基準は「素足で歩いても大丈夫というレベルがきれいな状態」という意味なのです。当社では「Bare Foot Print」と呼んでいるのですが、「素足でOKなきれいさ」を求めるのが日本だと思っています。

――シェールさんが日本に引っ越してきたとき、玄関などをみて、どう感じましたか? 違和感はありましたか?

 ダイソンのロボット掃除機を開発している当初、玄関という概念がありませんでした。ロボット掃除機の試作機を日本の家庭で試したところ、掃除機が勝手に進んでしまい、玄関の下に落ちてしまったのです。そのため、日本の生活環境からヒントを得て玄関を意識したソフトウェア調整を行い、発売をした経緯があります。

 日本の家庭事情もありますが、日本人消費者の好みには特徴があります。何か製品を開発するときに、重さ・パワー・スピードなど要素のバランスを取りながら設計しますが、そのバランスが海外の人々の求めている基準とは全く違うのです。アジアでひとくくりにすれば、日本と海外で似ているところもあります。ただ世界と日本の人々を比較すると、求めているものが全く違いました。だから設計に対する考え方も変えましたね。

世界と日本の人々を比較すると、求めているものが全く違ったという

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