日本経済団体連合会(経団連)前会長の中西宏明氏が6月27日、リンパ腫のため療養していた都内の病院で亡くなった。75歳だった。日立製作所が7月1日に発表した。
中西氏は1970年、日立製作所に入社。2010年4月に執行役社長に就任すると、リーマンショックによる巨額赤字からの回復と成長のため、ハードウェアの販売からデジタル技術を活用したソリューション事業への転換、グローバル化を推進。その後、14年4月に執行役会長兼CEO、16年4月に取締役会長となり、21年5月から相談役に就いた。
18年5月〜21年6月までは、経団連の会長を務めた。デジタル社会や脱炭素社会などの実現に向け、エネルギー政策や採用制度、教育などの提言を通じ、日本経済・産業界の発展に尽力した。
経団連は、製造業大手など伝統的な企業が多くを占めるが、「ベンチャー企業はじめさまざまな企業に入会してもらい、本当の意味で経済界を代表する組織になることが重要」(2018年の記者会見より)とし、ベンチャーが加盟しやすい環境づくりも進めた。
経団連の現会長である十倉雅和氏(住友化学会長)は7月1日、談話を発表。「(中西氏は)経団連が目指す基本理念として『Society 5.0 for SDGs』を掲げ、DX、働き方改革、グリーン成長の実現とエネルギー問題、ご自身が先頭に立っての民間経済外交などに積極果敢に取り組まれた」と述べた。
十倉氏は「中西さんが掲げた『サステイナブルな資本主義を確立する』という強い意志をしっかりと受け継ぎ、次の時代の明るい日本の実現に向けて、全力で取り組んでいく」としている。
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