「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
テープカッターを最後に使ったのはいつだろうか? デジタル化が進んだ今、「最後に使った記憶は小学生」という人もいるかもしれない。
そんな大人になると使用頻度が落ちるテープカッターだが、南部鉄器を使ってゾウの形にして販売したところ、Twitter告知した直後に完売してしまったという。どんな商品なのだろうか? 開発した水沢鋳物工業協同組合の担当者に聞いてみた。
――ゾウさんテープカッターとはどういう商品なのでしょうか?
担当者: 南部鉄器という伝統工芸品から作ったゾウの形をしたテープカッターです。鉄器で重さがあるため、動かず片手でテープが切れるようになっています。
ゾウさんテープカッターは復刻商品になるのですが、最初に販売したのは30年ほど前と聞いています。きっかけは東北地方で総合スーパーを展開していた企業から「動物の形の南部鉄器商品が欲しい」と依頼があり、ゾウさんテープカッターや動物の形の文鎮などを作ったことです。
「こんなものがあったらいいな」というお客様の要望に応えて製造し、当時は大きく宣伝もしなかったので、知る人ぞ知るレアなアイテムでした。
――30年ほど前の商品ということですが、なぜこのタイミングで復刻することになったのでしょうか?
担当者: 新型コロナウイルスがきっかけです。当社では、南部鉄器を使った急須や鍋などを販売しており、コロナ以前は、観光地や百貨店で順調に売り上げを伸ばしていました。また、インバウンド全盛期には爆買いの恩恵を大いに受けました。
しかし、コロナ禍でインバウンド需要が消滅し、売り上げは大幅に落ち込みました。コロナ対策の一環として既存商品の掘り起こしに取り組んだのがきっかけです。南部鉄器に興味を持っていただく機会になればという願いから、このタイミングでの再販になりました。
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