「日本企業にはDXが必要だ」と言われるようになってから数年がたつ。しかし、日本のビジネスの景色は変わっているだろうか?
デジタル化もままならない組織が多い中で、日本企業がDXを成し遂げるまでには複数のハードルがある。
本記事では350以上の企業や自治体、官公庁などでの組織変革支援や業務改革支援の経験を持つ、作家でありワークスタイル専門家の沢渡あまね氏が、DXの進め方について解説。組織の経営者やマネジャーが意識すべき「4つのポイント」を紹介する。(編集部)
【前編】「DXとは「すっ飛ばす」こと DXが進まない企業に欠けている視点」
作家/ワークスタイル&組織開発専門家。あまねキャリア代表取締役CEO、なないろのはな取締役(浜松ワークスタイルLab所長)、NOKIOO顧問ほか。350以上の企業/自治体/官公庁などで、働き方改革、マネジメント改革、業務プロセス改善の支援・講演・執筆・メディア出演を行う。著書『バリューサイクル・マネジメント』『職場の科学』『ここはウォーターフォール市、アジャイル町』『IT人材が輝く職場 ダメになる職場』『職場の問題地図』『マネージャーの問題地図』ほか。#ダム際ワーキング 推進者。
筆者が企画およびアドバイザーを務める「組織変革Lab」(組織変革を目指す企業のオンライン越境学習サービス)のディスカッションで、企業がDXを推進する際にどんな点がハードルとなっているかが言語化された。その主な内容を以下に記す。
(1)業務改善やBPRとの違いが分かっていない
(2)DXに必要なスキルやマインドが未定義
(3)DX推進組織だけに丸投げされる
(4)従来組織(事業部門、バックオフィス)が動かない
(5)既存の業務が安定しているため、DXに対する本気度が醸成されにくい
(6)人事部門が変わろうとしない、動こうとしない
(7)PoCで終わってしまう
(8)社内の温度差が大きい
(9)上位層のマインドが変わらない
※「組織変革Lab」 受講者(複数の企業の部長・課長・担当者)の声より
これらを解決するためには、経営トップとの密なコミュニケーション、危機意識の社内共有および人事部門へのテコ入れ、社内広報部門と連携したチャレンジマインドや風土の醸成、管理職や社員の育成(スキルアップの投資)、外部人材の登用、越境学習の活用、人事制度の改訂(デジタルに適応できない、変化に抵抗する人材を冷遇する仕組みに)、既存事業と新規事業の組織体分離、PoCと並行した中長期的な組織開発などが求められる。
組織の経営・役職層に意識してほしいこととして、筆者から4つの提言をしたい。いずれも、企業向けの講演などで最近強調しているものである。
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