「東横INN」を運営する東横インは9月10日、新サービス「すいみんPJ」をスタートした。コロナ禍で睡眠の質を気にする人が増える中、睡眠の質や睡眠時間を計測するシステムを提供し、“眠りが分かるホテル”として訴求を図る。
「すいみんPJ」は、当日の睡眠状況を解析し、翌朝、宿泊客のスマートフォンのアプリに睡眠結果を知らせるサービス。KDDIと、睡眠改善プログラムなどを手掛けるニューロスペース(東京都墨田区)が共同開発した睡眠アプリ「Real Sleep」のノウハウを活用し、睡眠状態の可視化や分析を提供する。
対象の客室のマットレスに睡眠センサーを設置し、圧力を感知して睡眠データを取得する仕組み。お客は身体に測定機器をつける必要がなく、ベッドで眠るだけで測定を可能とした。
測定結果は翌朝6時以降、同ホテルの公式アプリ上で確認できるようにした。データは対象の部屋に宿泊するたびに蓄積される。
実施するホテルは、「東横INN大宮駅東口」(さいたま市)と、同日オープンした「東横INN広島駅スタジアム前」(広島市)の各シングルルーム。利用料金は無料。
ニチバンが2021年8月に20〜60代の男女500人を対象に実施した調査によると、コロナ禍の平均睡眠時間は6.5時間で、約3割が「眠りが浅くなった」と回答した。
睡眠の質に悩んでいる人は27.6%で、「熟睡できない」(56.5%)、「夜寝付けない」(51.4%)といった声が上位にあがっていた。先行きの見えない不安からくる精神的ストレスが睡眠に影響していることが考えられる。
東横インは「自身の睡眠を手軽に知ってもらい、必要に応じて睡眠改善を心掛けるきっかけにしていただきたい」としていて、22年3月までにすいみんPJを約800室に拡大する予定だ。
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