かつ丼「かつや」、から揚げ「からやま」を展開するアークランドサービスホールディングスの業績が、コロナ禍においても好調だ。
2020年12月期連結決算は、売上高386億3400万円(前年同期比15.9%増)、経常利益48億6800万円(同7.3%増)で、環境が厳しい外食業界では数少ない増収・経常増益の決算となった(ただし最終利益は、減損損失などのため7.0%の減益)。経常は19期連続の最高益更新となった。
直近の通期決算で増収増益となった外食企業は、日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングスくらいしかない。
21年12月期第2四半期(1〜6月)の決算も、売上高211億6500万円(同26.8%増)と引き続き好調をキープ。経常利益も39億6600万円(同94.8%増)を計上している。
今年に入ってから、かつや既存店売上高(1〜9月)も2.2%増となっていて、東京をはじめとする大都市圏でずっと時短営業を強いられていることを考慮すれば、全社的にも既存店ベースでも不利を克服して成長していて、目覚ましい業績を上げている。
主力のかつやで店内飲食が不振に陥る一方で、テークアウト専門の「全力飯弁当」を20年4月に発売するなど持ち帰りメニューを強化。テークアウトの比率がコロナ前の35%から50%に高まったことが好調の背景として挙げられる。ちなみに、マクドナルド、モス、KFCのテークアウト比率は7割を超えており、かつやは店内飲食が多いことが分かる。
また、から揚げの市場が伸びているので、テークアウト専門の「からあげ縁(ゆかり)」の出店を加速。19年末には22店だったのが、20年末には30店、21年10月10日現在で48店にまで増えた。
このようなテークアウト強化策に加えて、和風パスタのファストフード「東京たらこスパゲティ」、とろろそば専門店「東京とろろそば」など、街の話題となる新業態を連発。かつや、からやまに続くヒット業態の開発を、コロナ禍でも手を緩めることなく、むしろ積極的に行っている。
アークランドサービスが新型コロナウイルス感染症と共生する、「新しい生活スタイル」にいかに対応したかをまとめてみた。
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