お子さんの誕生日会はいくらかかりましたか?北米・英国の子どもの誕生日パーティー事情(3/4 ページ)

» 2021年12月11日 11時00分 公開
[ニッセイ基礎研究所]
ニッセイ基礎研究所

3――日本の誕生日会は?

 では、日本の家庭では子どもの誕生日会にいくら費やすのだろうか。米国や英国と比べて調査自体が少ないためあくまで参考値ではあるが、育児情報サイト「あんふぁん」10が読者150人を対象とした「誕生日会の規模」の調査(※11)をみると、全体の82%が家族だけで祝うと回答しており、友達を招待する家庭は18%であった。そのため、開催するパーティー自体も北米や英国と異なり、ピエロや過度な装飾も必要もないことから、“0〜3000円”が25%、“3001〜5000円”が42%、“5001〜1万円”が27%、1万0001〜1万5000円“が6%と、5000円代が最も多い。また、株式会社ベネッセコーポレーションが1323人を対象にした「家族のお祝いとは別に「誕生会」をしますか?」という調査(※12)では、全体の92%が友達と誕生日会を開催しないと回答している。

photo 図1 家族のお祝いとは別に「誕生会」をしますか? (N:1323、単位%)

 この背景には、「共働きの家庭が増えた」、「放課後は習い事や塾などで友達同士が集まりづらくなった」など、家庭(生活)環境が要因にあると考えられるが、そもそも私たちの生活を振り返った時、あなたは年間何回のホームパーティーを開催しているだろうか?私自身は全く開くことはないし、呼ばれることもない。読者の皆さんもそうではないだろうか。そうです。われわれ日本人はホームパーティー慣れしていないのだ。

 例えば北米ではクリスマス、感謝祭、復活祭などのイベントはもちろん、幼少期からSlumber party(パジャマパーティ)や、教会や地域コミュニティーでのPotluck party(持ち寄り型パーティー)、両親が不在の時の羽目を外しすぎるホームパーティーなど、パーティーを開くという文化の中で子どもたちは育っていく。また、その親も日々の生活の中でパーティーをしながら育ってきたのである。家庭環境の違いはもちろんあるが、パーティー慣れをしているか、いないかという文化の違いが大きな要因なのである。

(※10)幼稚園で配布されているフリーマガジンであるため、主な読者層は3〜6歳児をもつ保護者である。

(※11)あんふぁんWeb「子どもの誕生日、友だち招待派は2割以下!? 費用1万円以上は少数派!?」2015/11/09

(※12)株式会社ベネッセコーポレーション「92%が「誕生日会」を友達とはやらない、と回答」2009/03/19

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