トヨタは12月14日、2030年までに30車種のバッテリーEV(BEV)を投入する計画を明らかにした。BEV専用プラットフォームを開発し、乗用、商用それぞれにおいて、フルラインアップで提供する。30年には、BEVのグローバル販売台数350万台を目指す。
これまでBEVに出遅れたという指摘もあったトヨタだが、数値目標だけでなく、実際のモノとして開発中のBEV14車種を見せることで、BEVへの本気度を強くアピールした。
ただし、BEVへの転換を全面的に進めるわけではない。豊田章男社長は「1つの選択肢だけですべての人を幸せにすることは難しい。トヨタはできるだけ多くの選択肢を用意したい」と繰り返し話した。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車に続き、BEVという選択肢を増加させるという位置づけだ。
新ブランドとして「ビヨンド・ゼロ」を意味するbZシリーズを投入する。第一弾は、スバルと共同化発したSUV「bZ4X」だ。22年の発売を予定している。このbZシリーズのラインアップを拡大し、ミディアムSUV、コンパクトSUV、さらにラージSUVも投入する。
コンパクトSUVでは電費にフォーカスする。「航続距離を伸ばすために電池を増やせば、クルマは大きく重く、価格は高くなる。こだわるのは電費性能だ」(豊田氏)。1キロメートルあたり消費電力125whのクラストップの電費を目指すとした。
象徴的にBEVへの転換を進めるのは、トヨタの上位ブランド、レクサスだ。30年にはBEVをフルラインアップで展開。欧州、北米、中国でBEV比率100%とし、35年にはグローバルでも比率を100%とする。
第一弾として、SUVの「レクサスRZ」を投入し、さらに次世代スポーツカーもBEVとして開発する。時速100キロまでの加速は2秒前半、航続距離700キロ超、さらに全固体電池の搭載も視野に入れる。「そこで磨いた走りの味をほかのモデルにも展開し、レクサスをBEVを中心としたブランドに進化させる」とした。
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