(3)炎上商法とブランド毀損
限定モデル発売やオリジナルグッズプロモーションなど、昭和のころからある古典的マーケティング手法です。「特別感」という購買意欲を煽る、原始的な手法だけに効果は間違いなくあります。
しかし一方で社会環境は昭和とは激変していることをどこまで認識しているのでしょうか。マーケティングプロモは担当に任せっきりの経営者は、経営者としての組織運営責任を放棄しているとしかいえません。
炎上商法はマーケティングではないのです。
マーケティングであるなら、ただ爆売れするだけでなく、そのブランドが傷つくことがあってはならないのです。高級ブランドに限らず、店舗・企業ブランドが毀損されるようなものはプロモーションではありません。
だから経営責任なのです。
(4)限定発売などの転売ヤー・ホイホイ
牛丼など安価な商品は、元来ネットユーザーとの親和性は高く、気取ったブランド品などと違って、支持を集めやすい環境にあります。それがこれだけ反発を招いたのは正にミスとしか言いようがなく、企業として組織としての危機管理が出来ていない証明だといえます。
スイス時計という高級ブランド品が特別モデルで安く買える。しかも初回販売数が限定ともなれば、今や「転売ヤー」を全員集合させるほどの撒き餌となることを想像できないことが間違いです。限定発売などは正に転売ヤーホイホイとも呼べる、真のカスタマーではなく、もはや転売ヤーのためのプロモーションとなっています。
個人売買サイトやオークションによって、転売は一般人が気軽に出来るアルバイト、プロがガッポリ利ざやを稼げるせどり商売として確立されました。インターネットによって生み出された新商売です。
渋谷の店頭にあふれ返った購買者が、すべてスウォッチ/オメガユーザーには見えませんでした。相当数が転売ヤーではないかと容易に想像できます。転売ヤーのためのプロモーションなど、全くマーケティングの意味も、価値もありません。
当然この後、ネットで法外な値段で売買されるからです。このすべてに関与する人たちは、本来のブランドユーザーではないといえるでしょう。
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