コラム
» 2022年06月01日 05時00分 公開

楽天モバイル「0円廃止」 ブランド毀損とユーザー離れよりも深刻そうな余波優良事業にも影響か(3/3 ページ)

[大関暁夫ITmedia]
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 その時期は未定ながら、いまだに湯水のごとく資金を垂れ長す通信基地局整備が重荷のモバイル事業への資金手当てが目的なのは明らかです。楽天グループは同様の目的で、既に楽天銀行の上場準備も進めており、金融子会社2社の上場は目先の出費を埋めるために将来にわたる利益(21年度決算では銀行と証券合算で500億円近くの利益を計上)を手放すという重大な選択でもあります。モバイル事業の苦境を表す、0円プランの廃止よりも数段重たい決断といえるでしょう。

出所:楽天グループ2021年度通期決算資料

 0円プランの廃止は業界参入時に掲げた価格破壊路線の放棄であり、加えて金融事業の資金化計画まで飛び出し苦境にあえぐ楽天。現状は、単に個別戦略で失敗したというだけでなく、モバイル事業に乗り出したこと自体が基本戦略の失敗であった、といえるような状況に追い込まれつつあります。楽天の行く末には、「モバイル事業売却=店じまい」という選択肢もいよいよ現実を帯びてくるように思えてなりません。

著者プロフィール・大関暁夫(おおぜきあけお)

株式会社スタジオ02 代表取締役

横浜銀行に入り現場および現場指導の他、新聞記者経験もある異色の銀行マンとして活躍。全銀協出向時はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。銀行では企画、営業企画部門を歴任し、06年支店長職をひと区切りとして円満退社した。その後は上場ベンチャー企業役員などとして活躍。現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーをする傍ら、出身の有名超進学校人脈や銀行時代の官民有力人脈を駆使した情報通企業アナリストとして、メディア執筆者やコメンテーターを務めている。


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