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» 2022年05月13日 15時39分 公開

1年で0円廃止 楽天モバイルが強制プラン変更を強いるワケ

楽天モバイルが5月13日に発表した新プラン、「Rakuten UN-LIMT VII(7)」が波紋。今回の問題は、旧プランのユーザーも強制的に新プランに移行となることだ。わずか1年少々で有料化するのは、意図的な不利益変更ではないかという声も。

[ITmedia]

 楽天モバイルが5月13日に発表した新プラン、「Rakuten UN-LIMT VII(7)」が波紋を呼んでいる。これまでは月間1Gバイト未満の利用ならば基本料金が無料だった。ところが、新プランでは最低額が1078円となってしまう。

 「データ1Gバイトまでタダ」を広告に大きくうたった旧プランを開始したのは、2021年4月1日。そこからわずか1年少々で有料化するのは、意図的な不利益変更ではないかという声も聞く。

旧プランスタート時は「1GBまで0円」をウリにしていた

 ライトユーザーの中には、利用が少なければ基本料金が無料だということを魅力として契約した人もいた。基本的に通話にしか使わないつもりで、子どもに楽天モバイルを持たせている人もいる。

旧プラン利用者は強制移行される

 今回の問題は、旧プランのユーザーも強制的に新プランに移行となることだ。旧プラン利用者は、7月の新プランスタート後も2カ月間は1Gバイト未満無料。またさらに2カ月間は1Gバイト未満なら基本料金分をポイントで還元するという経過措置も設ける。しかし、「契約した内容を先方の都合で勝手に値上げするなんて許せない」という声も、ネットには散見される。

1G未満の利用でも1078円の料金が必要になる

 いったいなぜこうなったのか?

 会見で楽天モバイルの三木谷浩史会長は、「当初は、旧プランの人はそのまま使えるようにすることを検討したが、既存のユーザーをキープしたまま、新しいプランを出して他社に逃げないようにするのは、法律上ダメだということなので、断念した」と話した。

 この根拠として挙げたのが「電気通信事業法 第二十七条の三 第二項第二号」だ。これは、次のような法律だ。

電気通信事業法 第二十七条の三 第二項第二号

その移動電気通信役務の提供に関する契約の締結に際し、当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該契約の解除を行うことを不当に妨げることにより電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがあるものとして総務省令で定める当該移動電気通信役務に関する料金その他の提供条件を約し、又は届出媒介等業務受託者に約させること。

 そしてこの法律に基づく施行規則は下記のようになっている。

施行規則第22条の2の17第6号

(電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれのある料金その他の提供条件) 第二十二条の二の十七 法第二十七条の三第二項第二号の総務省令で定める料金その他の提供条件は、次のとおりとする。 六 契約を一定期間継続して締結していたことに応じて利用者に対して行われる当該契約に係る移動電気通信役務の料金(付加的な機能の提供の料金を除く。)の減免その他これと同等の利益(特定経済的利益に該当するものを除く。)の提供であつて、それにより利用者が受けることとなる一年当たりの利益の額が当該契約に係る一月当たりの料金を超えるものであること。

 この規則を元に、「月間データ通信量が1Gバイト以下の場合における両プランの差額を割引と捉えると、その額は『一年当たりの利益の額が当該契約に係る一月当たりの料金を超える』に該当する可能性がある」というのが、楽天モバイルの解釈だ。

 なお、これは「旧プランを並行して提供できない」理由であり、1Gバイト未満を有料化せざるを得ない理由ではない。「0円廃止」は電気通信事業法が理由であるかのような報道もあるが、これは認識が正しくない。楽天モバイルでは、経営戦略上の判断から有料化に踏み切ったとしている。

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