楽天証券は、これまで積み立て額の1%を還元していたクレジットカードによる投資信託積立の還元率を変更する。9月から、一部の投資信託については0.2%に引き下げる。楽天証券は4月から、保有する投資信託に付与するポイントを引き下げる予定で、相次ぐ還元の引き下げに、ネットでは「改悪」の声が飛び交っている。
これまで楽天証券は、豊富なポイント還元を武器に、投資初心者層を呼び込み、口座数を大幅に増加させてきた。クレカによる投信積立はその筆頭だ。2021年6月末時点で投信残高は2兆2398億円にのぼり、毎月の投信積立設定金額は700億円を超えていた。一方で、投信事業から得られる収益よりも、ポイント還元額のほうが大きくなっている投信もあり、実質赤字で顧客を集める状況が続いていたと見られる。
大規模なポイント還元による拡大策から、利益確保のステージへ。楽天証券の方針は転機を迎えたといえる。
9月買付分からクレカ積立のポイント還元率を変更するのは、一部の投資信託への積み立てだ。投資信託保有者は、信託報酬という形で継続的にコストを支払う。信託報酬は、運用会社、信託銀行、販売会社が分け合うが、この販売会社の取り分が楽天証券が得る収益となる。
今回、販売会社手数料が年率0.4%未満の投資信託について、積み立て決済時の還元率を0.2%に引き下げる。0.4%以上の投資信託については、従来通り1%を還元する。
0.2%引き下げ対象の投資信託の一覧を楽天証券は公表している。本数は実に500本以上。人気の低コストインデックス投信はすべて含まれる。
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楽天で相次ぐ“ポイント改悪”……それでも顧客は流出しない?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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