楽天証券は12月7日、証券口座数が700万口座に達したと発表した。コロナ禍の中、オンライン証券には追い風が吹いており、2020年12月の500万口座から1年で1.4倍に増加した。
併せて、9月末時点で投資信託の積み立て設定人数が188万人、設定金額は月額700億円を超えた。人数は前年同期比で122.5%増、金額は同162.5%増に拡大した。
業界首位のSBI証券は6月に700万口座を超え、9月末時点の口座数は771.7万口座。SBI証券も急速に口座数を増やしているが、楽天証券が猛追している。
また、投信の積み立て設定金額は、手数料収入からストック型収入にかじを切りつつある業界にとって、新たなKPIとなりつつある。これまでクレジットカードを使った投信積み立てが好評で金額を伸ばしてきた楽天証券だが、他社も追随。三井住友カードと組んだSBI証券は、9月末に積み立て設定金額が500億円を超えており、楽天証券と伸びを競っている状況だ。
楽天証券の投資信託の状況(6月末時点)。投資信託残高は2兆2398億円と前年から2倍となるペースで拡大している。今後、積み立てだけでも年間約8500億円増加するペースだ(楽天証券決算資料より)
SBI証券、投信積立設定額500億円突破 楽天を追走
SBI証券は投資信託の積立設定金額が、9月17日の時点で月間500億円を突破したことを明らかにした。200億円を突破したのは2020年3月。そこから1年半で2.5倍となった。
楽天証券決算、つみたてNISA設定件数が前年から2倍に 若年層取り込む
規模ではSBI証券に次ぐ2番手ながら、楽天証券の伸びが加速している。2021年12月期1-6月の決算では、コロナ禍においての成長の加速が数字で表れた。直近4-6月の業績は、売上高にあたる営業収益が21.1%伸びて205億2400万円となった。5大ネット証券と呼ばれる、SBI証券、松井証券、マネックスグループ、auカブコム証券の中では最も伸び率が大きい。
楽天証券600万口座到達 投信積み立ては450億円に
楽天証券の口座数が5月19日に600万口座を超えた。業界トップのSBI証券は3月末時点の口座数が683万(うちネオモバイル証券が80万)となっており、肉薄してきた。500万から600万口座へは5カ月で到達しており、増加ベースが加速している。
コロナ禍で伸びるネット証券 預かり資産残高はSBIと楽天がつばぜり合い
預り資産残高が6月末で20兆円を超えたSBI証券。コロナ禍で伸張著しいネット証券だが、伸びは各社で明暗が分かれた。同期間で最も伸び率が高かったのが、楽天証券で前年から63%増加した。
手数料を無料化して証券会社はどうやって利益を出すのか?
ネット証券を中心に、国内で株式売買手数料の無料化の流れが進んでいる。現在も、SBI証券と楽天証券では1日100万円まで手数料はゼロだが、さらにSBI証券と松井証券では25歳以下の完全無料に踏み切った。しかし、売買手数料を無料化して、いったいどこで利益を出すのだろうか? 利用者の中には、「どこかに落とし穴があるのではないか」と不安視する声もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.