日本は「Web3」で勝てるのか 残念ながら「前途多難」：世界を読み解くニュース・サロン（3/6 ページ）

[山田敏弘，ITmedia]

「ブロックチェーン」「DAO」とは

　ブロックチェーンは既に、暗号通貨で使われている。ブロックチェーンとは、暗号技術を使って、ブロック（箱）と呼ばれる単位でデータを記録・管理し、それをチェーン（鎖）のようにつなげて保管していく技術。ユーザー同士が検証しながら分散して記録を承認していくシステムだ。

　暗号通貨で説明すると、ブロックは台帳の働きをし、通貨の取引などが行われると、ユーザーらによって取引が承認され、ブロックに記録される。そして次の取引の際には、承認を経て新たなブロックに記録され、前回の取引などの情報も組み込まれて連結されていくことで、改ざんができなくなる仕組みだ。要は、前の取引の記録は消すことが不可能になる。

　このブロックチェーンのシステムは、暗号通貨だけでなく、不動産の取引などさまざまな場面で活用できる。

さまざまなシーンで活用されるブロックチェーンの技術（画像はイメージ）

　そして「Web3」では、個人がそれぞれ自分のブロックチェーンを持ち（ウォレット）、そこにさまざまな情報を保管していくこともでき、オンライン上で安全に活動ができるようになる。限られたプラットフォームに個人情報を提供したり、管理されたりする必要はなくなるし、オンラインのショッピングサイトやオンラインバンクなども、よりプライバシーを確保して安全に使えるようになるだろう。知らぬ間に自分の情報が、広告に使われることもなくなる。

　トークンと呼ばれる暗号資産も使われることになる。最近知られるようになっているが、「NFT（非代替性トークン）」はブロックチェーンの技術を使うことで、これまで価値を付けられなかったデジタル資産の唯一性を証明できる技術だ。