“売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか水曜インタビュー劇場(ふぞろい公演)(1/6 ページ)

» 2019年03月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり、さばくのが面倒だったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。東京都墨田区にある「黒酢の寿司 京山」だ。

 京山は1999年3月にオープン。その年の5月に、やっかいもの扱いされてきた魚を仕入れて、「おまかせセット」として販売したところ、あれよあれよという間に火がついた。一番人気の「特上 おまかせセット」は50個入りで、価格は6459円(税込み)。マグロの赤身やサーモン、エビといった“定番”のほかに、未利用魚を4割ほど使っている。

未利用魚を使った「おまかせセット」が売れている

 東京23区内であれば届けてくれるので、「週末、注文してみるか」と思った人もいるかもしれないが、記者は2つの疑問が浮かんだ。1つは、捨てられていたかもしれない魚の寿司が、なぜ売れているのか。もう1つは、さばくのに手間がかかるのに、なぜ20年も続けることができたのか、である。

 その謎を解くために、京山の朝山議尊(あさやま・よしたか)社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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