インタビュー
» 2019年03月20日 08時00分 公開

“売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか水曜インタビュー劇場(ふぞろい公演)(3/6 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

リピーターが増えた要因

土肥: 変わった商品なので、「一度、試してみるか」といったお客さんはいるはず。ただ、未利用魚を使ったセットはその後も売れ続けているんですよね。リピーターが増えた要因は、どのように見ていますか?

朝山: 家の近所にある宅配寿司のメニューをよーく見てください。定番のネタばかりが並んでいるんですよね。マグロ、タイ、エビ、卵といった感じで。通常、注文する際には、決まったものを選んで、祝い事があるときには、ワンランク上のものを頼む人が多い。そうすると、毎回同じものを食べることになりますよね。マグロね、タイね、エビねといった具合に。

土肥: はっ! 「また同じネタかよ」と不満を感じていた人たちに、「ちょっと買ってみるか」と心を動かしたわけですね。

スーパーなどの店頭で、あまり目にすることがない魚がずらり

朝山: 何が入っているのか分からない。フタを開けるまで分からない。実際に食べて、「ふ〜ん、この魚はこんな味がするのね」といった楽しみ方ができる。しかも、毎回できる。こうした点がウケているのかもしれません。

土肥: ふむふむ。その後、築地以外からも仕入れているんですよね。築地だけではネタが足りなくなったのでしょうか?

朝山: その通りです。もの足りなさを感じるようになって、いろんな港の漁業関係者に声をかけることにしました。漁港で働く人たちは義理堅くて、「顔を知らない人には売れねえ」といった雰囲気があるので、一緒に食事をして、きちんとコミュニケーションをとらなければいけません。そして、仲良くなってから、「なにかいいモノが入ったら、送ってきてください」とお願いしました。

 そのとき「〇△の魚がほしい」「〇〇の魚がほしい」と具体名を挙げてお願いすると、先方に負荷がかかってしまう。〇〇という魚を手にするために、港を歩き回らなければいけなくなりますからね。そうすると人件費も膨らんでしまうので、いまの価格で提供することが難しくなる。そこで、「寿司になるネタであれば、何でも送ってください」と伝えました。

取材当日も全国の港から未利用魚が届く

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