東大受験専門塾の看板を掲げる「鉄緑会」をご存じだろうか。知らない人からは「なんか大げさだなあ。ホントに合格者はいるの? いても数人じゃないの?」といった声が聞こえてきそうだが、東大合格者は毎年500人以上もいるという。
その鉄緑会が設計した「公式ノート」が3月に登場した(3冊セットで1155円)。同塾では中学1年生からノート作成法を指導していて、複数のノートを使い分けることを推奨している。「使い分ける」とは、どういった意味なのか。講義の板書用ノートと、ミスをしたところを書き留めていく間違いノートのことである。そうすることで、生徒は何度も繰り返し使うことになるので、「自分だけのオリジナル参考書」になるというのだ。
とはいえ、これまで公式ノートを販売していなかったので、それがどういったモノなのか、具体的なことがよく分からず、内容はベールに包まれていた。いわば“門外不出”ともいえるモノだったわけだが、現場の先生たちとコミュニケーションをとったうえで、KADOKAWAがイチからつくりあげたのだ。未来の東大生が使っているノートには、どういった工夫が施されているのか。編集を担当した、KADOKAWAの関由香さんに話を聞いた。
――毎年、たくさんの東大生を輩出している学習塾「鉄緑会」の公式ノートが発売されました。そもそもどういったきっかけで、つくることになったのでしょうか?
関: 「鉄緑会シリーズ」の参考書を刊行していまして、各教科の先生と話をする機会があったんですよね。勉強をしていくうえで、大切なことは何かを尋ねたところ、共通して「ノートをとること」と言っていました。さらに聞いたところ、生徒は年に何冊ものノートを使っていたり、教科別に用意していたりといったことが分かってきました。
鉄緑会さんは毎年、たくさんの東大生を輩出しているので、生徒が使っているノートに何か秘密があるのではないかと考えました。また、この塾に通っていない生徒もそれを使えば、何らかの役に立つのではないかと思ったんですよね。
ただ、公式ノートがあるわけではありません。生徒は市販されているノートを購入して、先生は「ノート作成法」を指導されているんです。であれば、公式ノートをつくってみてはいかがでしょうか? と提案したところ、特に理系の先生に興味を示していただき、イチからつくることになりました。
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