東大合格者は毎年500人以上! 鉄緑会「公式ノート」が地味にスゴい3分インタビュー(2/3 ページ)

» 2022年05月18日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

中学1年生から「ノート作成法」

――鉄緑会では、中学1年生から「ノート作成法」を指導されているようで。具体的に、どんなことを?

関: 先生が授業で教えていることを、ただ板書をして終わりではなく、「自分だけのオリジナル参考書をつくりなさい」と言っているそうです。そのために、どのような工夫が必要なのか。学生のころを思い出していただきたいのですが、ノートに書くとき、真ん中のところに線を引っ張って2分割にしたり、2本の線を引っ張って3分割にしたりしていませんでしたか。

 例えば、2分割の場合、このような使い方ができると思うんですよね。左側には、先生が授業で話をしたこと、右側には、自分が間違えたことを記載する。そうすることで、どのような効果があるのか。自分はどういったところで間違えたのか、同じ間違いをしないようにするにはどうすればいいのか、その方策などを書くことができる。

 このほかにも、さまざまな使い方ができるわけですが、2分割、3分割する際に時間をかけてはいけません。ノートにはたくさんのドットを上下に設けまして、4分割、5分割にも対応できるようにしました。それだけではなく、定規を使って線を真っすぐ引けるような工夫もしました。

――ん? どういう意味でしょうか? 定規を使えば、線は真っすぐに引けますよね。

関: 筆箱の中に入っている定規は、何センチのモノが多いかご存じでしょうか。15センチなんですよね。しかし、そのサイズの定規だと、ノートの上から下まで一気に引くことができないので、途中でゆがんでしまう。15センチの定規でも線を真っすぐ引けるようにするには、どうすればいいのか。ページの中央に補助ドットを設けたんですよね。

――補助ドットが中継点のような役割をしているのですね。

関: はい。2回にわけて線を引くことになりますが、慣れてくると意識せずに真っすぐの線を引くことができるようになる。線を引くことに気をとられることがなくなるので、勉強に集中することができる。「地味な話だなあ」と感じられたかもしれませんが、こうした機能は生徒に役立つのではないかと思っています。

 このほかに、罫線を7ミリ幅にしました。一般的なノートと比べて、やや広いわけですが、なぜそのようにしたのか。文字の上に、フリガナや補足事項を書きやすいようにしたんですよね。また、ドットを左から数えて、5個目、10個目……には、違う形のドットにしました。3分割、4分割するときに、それが目印になるので、素早く線を引くことができるんですよね。

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