ギョーザ海外輸出が好調、その理由は? 沖縄の会社コロナ前の2割増

» 2022年07月14日 16時06分 公開
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 ギョーザ製造・販売の琉〓※(注=〓はへんが「王」でつくりが「民」)〓※(注=〓はへんが「王」でつくりが「民」)(沖縄県浦添市、比嘉竜児社長)が、長期化するコロナ禍でも海外輸出を伸ばしている。香港、マカオ、シンガポールでの売り上げは2019年度比で2割増。沖縄の食材を取り入れたオリジナル商品をアピールし、現地の飲食店に加えて、日本食材を扱うスーパーやディスカウントストアなどにも販路を拡大。日本食を食べたいという現地のニーズも捉える。(政経部・川野百合子)

ゴーヤーやモズク、イカスミなど県産素材を生かした琉〓〓の焼ギョーザの商品(提供)

 同社は12年に香港とマカオへ輸出を開始。コロナ前は香港航空の旅客便の貨物スペースを使っていたが、現在は船で輸出する。出荷から店頭まで約3週間を要するが、マイナス40度で急速冷凍し、うまみを閉じ込める冷凍技術を生かす。製造・販売する通常のギョーザはもちろん、ゴーヤーやイカスミ、モズク、アグーなど県産食材を生かしたラインアップも評判で、旅行に行けなくても日本食を食べたいというニーズも取り込む。

 現在は、3都市だけで毎月約200万円を継続的に計上している。月の輸出数はコロナ前の68%増の約3万3600個。特に伸びているのは香港で、売り上げは25%増の年間1200万円となっている。

HACCPの認定を受けた同社の工場=12日、浦添市の同社

 コロナ禍で現地飲食店も時短営業となる中、ビジネス街ではミーティングを兼ねた昼食会も盛んだという。現地バイヤーとの連携を密にし、ビジネス街に近い飲食店や日本食材を手厚く扱う量販店に注力している。また、あえて日本語のパッケージで売り、日本製の信頼を押し出す。

新工場でHACCP認定を取得した琉〓〓の比嘉竜児社長=11日、浦添市牧港の同社

 同社は21年7月、浦添市に1日最大8万個を生産できる工場を新設。今年6月3日には、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理基準を含む「JFS-B」を取得した。

 比嘉社長は「コロナ禍でも沖縄のチャンスや可能性は広がっている。さらなる商品開発や国内外での販路拡大に取り組んでいく」と語った。

※(注=〓はへんが「王」でつくりが「民」)

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