アマゾンはこれまでにも、さまざまな企業を買収し続けてきた。買収した企業の分野の1つに、スマートホーム関連の製品を手がけるメーカーが挙げられる。
代表的な企業としては、18年に11億ドル(約1170億円・当時)で買収したセキュリティ企業「Ring」がある。同社の製品には次世代ドアホンやカメラなどがあり、Alexaと連携して室内や屋外を監視したり、訪問者の記録などができる。アマゾンがAlexaを通して普及を目指すスマートホーム製品群の一角を担う製品だ。
そして実は、スマートホームの根幹を担うAlexa自体も1999年に買収したサービスだ。このようにアマゾンはコアとなるサービスや製品を積極的に買収しているのだ。
ルンバもスマートホーム機能の進化のために欠かせない機能を2つ持っている。効率よく掃除を行うため、走行時に室内をセンシングしながら作成した「間取りデータ」がその1つだ。
キッチンが家のどこにあるか、リビングや寝室などはどこかといった位置データは、スマートホーム機能を進化させ、より高精度なコントロールを行うためには欠かせない。今回の買収では、この間取りデータがアマゾンの一番の狙いなのではないかと予想する声は非常に大きい。
そしてもう1つが、障害物を避けながら室内を動き回る走行機能だ。米アマゾンは21年に家庭用ロボット「Astro」などを発表しており、北米市場にてテスト販売が始まっている。
Astro自体は大きなディスプレイを備えるが、室内を動き回るだけで特に家事などは行わない。いわばペットロボットだが、将来的に家事を担うロボットを開発することも考えられる。その場合、より高精度で安定した走行性能が求められる。これらにルンバのマッピング技術や走行技術などが活用される可能性も大きいだろう。
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