那覇空港の禁止区域にレンタカー「今年は数倍」 “いたちごっこ”の背景観光客が戻りつつあるのに

» 2022年09月05日 09時57分 公開
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 各航空会社の搭乗手続きカウンターが入る那覇空港国内線ターミナル3階の出入り口付近で、禁止されているレンタカーの受け渡しが横行し、関係者が対応に苦慮している。一般の利用者の乗り降りに支障が出ているほか、渋滞の要因になり、那覇空港を管轄する豊見城署には毎日のように苦情が寄せられている状態だ。県レンタカー協会は「10年ほど前から違反事業者が問題になり始めたが、今年は特に目立つ。観光客も規則にのっとった事業者を利用してほしい」と呼びかけている。(社会部・比嘉海人)

車両受け渡しを禁止する看板近くで配車手続きする違反事業者=19日、那覇空港(画像の一部を加工しています)

 現場は、那覇空港事務所が空港管理規則に基づき、レンタカーの受け渡しを禁止している。駐車禁止区域にも当たり、レンタカーの貸し出しや返却の手続きで駐車すれば摘発対象になる。しかし、取り締まりに気付くと車を移動するケースも多く、「いたちごっこ」が続いているという。

 レンタカー協会によると、違反行為が特に深刻だったのは2018年ごろ。それでもまだ違反事業者は10社ほどだったが、「今年は数倍に上る」(同協会)という。

 背景には、新型コロナウイルスの流行に伴い大手事業者のレンタカーが減ったことが関係しているようだ。

 同協会によると、コロナ禍の旅行控えで観光客数が激減したことを受け、協会に所属する事業者の今夏の保有台数は、2019年の同時期と比べてほぼ3割減。観光客は戻りつつあるが、大手は満車の状態が続き「以前より小さな事業者に客が流れている」と担当者は説明する。

 こうした事業者の多くは店舗を持たず、空港を日常的に受け渡しの場にしているとみられる。

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