赤い髪の色をしている三つ編みの女の子が笑っている――。米国でよく見かけるハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」のことである。ハンバーガーの特徴は、バンズが円形ではなくて、楕円形をしていて、パテは四角形であること。
「そーいえば、昔、食べたことがあるなあ。日本から撤退してなかったっけ?」「いや、確か……数年前にファーストキッチンとコラボしていたような」と思われたかもしれないが、その通りである。バブル時にイケイケドンドンで店を増やしていったものの、その後、日本から撤退。再び上陸したものの、パッとしなかったこともあったが、ファーストキッチンとのコラボ店を増やしていて、現在は都市部を中心に53店舗(7月末現在)を展開しているのだ。
ウェンディーズは米国で生まれたハンバーガーチェーンで、現在31カ国で6828店舗(2021年1月)も展開している。米国ではマクドナルドの2番手争いをバーガーキングと繰り広げているほど、大きな会社である。
日本に上陸したのは、1980年のこと。ダイエーと提携して、「さあ、どんどん広げていくぞー」という意気込みもあって、90年代末には100店を超える規模に。しかし、待ち受けていたのはバブルの崩壊である。ダイエーが経営危機に陥ったこともあって、2002年に「すき家」を展開するゼンショーホールディングスが経営権を取得。「かつての輝きをもう一度」といった感じで、未来予想図を描いていたが、思うようにはいかなかったようで。09年、全国に71店舗を構えていたものの、日本から撤退することになったのだ。
筆者は当時のことをなんとなく覚えている。マクドナルドが平日にハンバーガーを「65円」(2000年)で販売していて、店舗数をどんどん増やしていた。昼のセットを購入するのに多くの人が並んでいた一方で、ウェンディーズの店内はそれほど客がいなかった。「大丈夫かな?」と思っていたら、日本から「さようなら」をしていたのである。
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