「そのPTA業務、引き受けます」 “ありそうでなかった”サービスは広まるのか週末に「へえ」な話(3/4 ページ)

» 2022年09月24日 08時26分 公開
[土肥義則ITmedia]

注目が集まる2つの業務

 5つのメニューの中で、どのサービスに注目が集まっているのだろうか。事業を担当する中村達也さんに聞いたところ、「人材派遣とイベント関連に関する問い合わせが多かったですね」とのこと。

 人材派遣といっても幅が広いので、ここですべてを紹介するのは難しい。学校によっても違うし、学年によっても違う。そんな中で個人的に気になったのは、常駐スタッフの配置である。都市部のマンモス校の場合、PTAはやらなければいけないことがたくさんある。Webサイトを更新しなければいけないし、運動会も手伝わなければいけないし、印刷物も用意しなければいけない。あれもこれもやらなければいけないので、学校に席を持っているケースがある。「そうした人の代わりをお願いできないか」という問い合わせがあるようだ。

「学校に常駐してくれないか」という声も

 イベント関連で興味深く感じたのは、ライブ配信である。新型コロナの感染が広がったことで、入学式や運動会などの入場を制限する学校が増えた。しかし、保護者としては「わが子の姿を見たい」という声は強く、ライブ配信をするところが増えている。

「ライブ配信」をする学校が増えた

 では、ネットを使って、いまを伝える業務はどのように行っているのだろうか。現状は「〇年〇組の〇〇ちゃんのお父さんってテクノロジーに強いよね。IT企業に勤めているようだし、彼にライブ配信を任せちゃいましょー」といった形で話が進んでいくケースがある。

 しかし、こうした流れで話がとんとん拍子に進んでも、翌年に行き詰まることが考えられる。PTA役員の任期は1年のところが多いので、今年はたまたまテクノロジーに強い人がいたのでライブ配信ができても、来年はどうなるか分からない。コロナの感染が落ち着いてもライブ配信のニーズは続きそうなので、持続可能な形で対応していく必要がある。そうなった場合に、「プロにお任せできないか」といった流れも生まれてくるかもしれない。

卒業式を手伝うことも多い

 このサービスをリリースしてから、まだ1カ月ほどしかたっていないが、困った問い合わせもあるという。それは「丸投げ」だ。「PTAの業務、すべてをお願いできませんかね」といった問い合わせもあるようだが、それは受け付けていない。

 「PTAの是非をめぐっての議論がありますが、当社として『これは良い、これは悪い』といったことは考えていません。先生の働き方が変化している、共働きの世帯が増えてきた。こうした状況の中で、負担が大きいところを軽減させることはできないか。そのような形で始めたので、すべてを代行することは考えていません」(中村さん)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.