「ベア」とは、「ベースアップ」という和製英語の略。企業が従業員に支払う賃金全体の底上げを指します。原則的に、3%のベアを実施することになった場合、全従業員の基本給が3%アップすることになります。
一方、定期昇給とは、年次や業績など賃金規定に基づいて決められる昇給を指します。春闘では、ベアと定期昇給を合わせた賃上げの要求を行います。
ベアは、物価上昇などで相対的に下がってしまった賃金を調整するために実施されます。全従業員が対象となるベアは、働く人にとって喜ばしいものです。一方、企業にとっては人件費が増えます。さらに、基本給を一度上げてしまうと、今後経営状況が厳しくなっても引き下げることが難しいという懸念点があります。こうした労使間の意見を戦わせ、賃上げの方針を定めるのが毎年2〜3月に実施されている春闘です。
22年の春闘では、連合は4%程度の賃上げを要求。結果として平均賃上げ率2.07%(前年比0.29ポイント増)となりました。
物価上昇による家計への負担が増える中、23年の春闘の結果に注目が集まります。
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