就職活動や転職活動をする上で避けては通れないのが、自分自身の「強み」をアピールすることだ。新卒であれば学生時代の経験やアルバイトから、中途であればそれまでの仕事や得た知見を振り返り、自分だけの強みを見つけていく――。言葉にするのは簡単だが、うまく強みを見つけられない、ライバルとどう差別化すればいいのか分からない、といったことで悩む人も多い。
そもそも「強み」とは何か、企業から選ばれる「強み」とはどういうものなのか。人事・戦略コンサルタントの松本利明さんに話を聞き、前後編に渡ってお送りする。
――就職活動や転職活動で聞かれる「強み」とは、そもそもどういうものなのでしょうか?
松本: 強みは自分が決めるのではなく、相手が決めるものです。
大企業にいてマネジメントや仕組み化することが強みのAさんが、成長期のベンチャーであるB企業を受けようとしています。B企業側は、成長期でいろいろなことがあいまいな状況の中でも、前に進んでいく人材が必要である一方、マネジメントや仕組み化のスキルを持つ人材を求めてはいませんでした。Aさんの強みはB企業にとって必要であると判断されず、採用とはなりませんでした。
このように、どれほど優秀な人であっても、その能力やスキルを価値があるかどうか判断するのは相手です。相手が求めているものと合致しなければ、評価されません。
また、強みは相対比較であるため、その時のライバルや環境で決まります。例えば、TOEIC700点のスコアを取得していたとして、周りが帰国子女だらけだった場合とそうでない場合の評価は雲泥の差です。
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