まだTシャツの沖縄で、ユニクロのヒートテックがもう売れている理由ダウンも売れる(2/3 ページ)

» 2022年11月22日 06時00分 公開
[沖縄タイムス+プラス]
沖縄タイムス

当日にならないと買わない沖縄県民

 アパレルと気候の関係性も見逃せない。通常、気温が下がれば秋冬物が売れ、気温が上がれば春夏物が売れる。

 ユニクロ広報担当者もこう話す。

 「気温に連動する形で、売り上げも変わります。連動がかなり強いです。全国に進出させていただいて、気軽に買える事情もありますので、高価格帯のブランドさんよりも、寒くなったら暖かくなる物を買う、暑くなったら夏物を買うといった、みなさんの体感と購買がだいぶ連動した動きにあるかなと思います」

 一方で、沖縄はどうか。大分県、静岡県、関西など、各地のユニクロ店舗を見てきたイオンモール沖縄ライカム店の鈴木隼店長によると、「11月からは気温に連動して、沖縄県内で着るためにヒートテックを買われる方も増えていきます。沖縄では、暖かさのグレードが一番下の『天竺』をご利用される方が多く、寒くなってくる12月、1月になると、『極暖』の売り上げが上がっていきます」。

 「ただ、沖縄は買われるタイミングがずれているといいますか。本土だと天気予報から推測して寒くなる前に購入されるということがかなり多いですが、沖縄のお客様は寒くなった当日に購入される方がかなり多いです。気温差がかなりあるので、寒くなった当日に買われるのかな、という印象があります」

(筆者も天気予報を信じていないわけではないが、寒くなるはずがないと思っている節がある。玄関ドアを開けて寒いと感じて、本当にきょうは寒いんだ、と初めて受け入れる。そのときにやっと、冬物を出そうと思う。もしかして県民性なのだろうか。)

ダウンも売れる“沖縄スタイル”

 ウルトラライトダウンの需要もあるという。鈴木店長が特に注目しているのが、沖縄県民の着こなしだ。「感覚的なところも大きい」と前置きした上で、

 「半袖の上にウルトラライトダウンを着られる方がいるのが沖縄のユニークなところですね。お部屋の中だったり、少し出かける時は暖かいインナーを着て過ごす方も多いですし、温度調節にはかなり敏感な県民性だと思います」

 確かに、半袖の上からダウンを着ている県民は、よく見かける。あれは“沖縄スタイル”なのか、と思い返していると、「まだ、沖縄ならではの特徴があるんです」と鈴木店長。

 ヒートテックに限って見ると、本土とはかなり違う印象だという。

 「10月に関しては、本土では、ご自身が着るために買う方が多いんですが、沖縄県内ではその需要自体は少ない。でも、北海道だったり、本土に旅行に行く時にまとめて買うお客さまの方が、動き出しの時期は多くなっている印象です」

 ユニクロ広報担当者も、世界的に見ても暖かい地域で全く売れないわけではないという。「東南アジアでも、旅行に行くためのヒートテックの需要はかなり伸びています」と指摘する。

Copyright © The Okinawa Times All rights reserved.