パネルヒーターに電気敷き毛布……暖房器具のトレンドは? 「テレワーク」「快眠」が今年のキーワードヨドバシカメラ秋葉原店に聞いた

» 2022年12月24日 07時00分 公開
[ITmedia]

 寒波に見舞われる日本列島。クリスマスが過ぎた年末年始も厳しい寒さが予想されている。こうした中、家電量販店の暖房器具コーナーがにぎわいを見せている。ヨドバシカメラ秋葉原店では今冬、12月17〜18日の週末に集客の1度目のピークが訪れたという。担当者に今年の暖房器具の売れ行きやトレンドを聞いた。

ヨドバシカメラ秋葉原店に今年の暖房器具のトレンドを聞いた(ゲッティイメージズ)

 教えてくれたのは、ヨドバシカメラ秋葉原店「家電コンシェルジェチーム」グループリーダーの高澤さんだ。

 トレンドやブームに関係なく、毎年人気が高いのが、定番だというダイキンの遠赤外線暖房機「セラムヒート」。遠赤外線は直進性が高く、人にあたると熱量の90〜95%が身体に吸収され、身体の芯から暖まるのが特徴だという。

ダイキンの定番商品「セラムヒート(2023年モデル)」(同社公式Webサイトより)

 電気代の高騰が懸念される中、パワーを半分程度に抑えて運転しても暖かさを確保できるため、省エネ家電としても注目が高いという。

在宅需要を反映

 今年、例年になく売り上げが好調だというのが、足元を暖める「パネルヒーター」だ。デスクの下に足元を囲うように設置する。

 高澤さんによると、以前からあった商品だが「そこまで売れるメジャーな商品ではなかった」といい、今年は例年以上に注目を集めている。「恐らくテレワークが浸透したことが大きいのではないか」と話す。

山善の「パーソナルパネルヒーター フリースひざ掛け付」(同社公式Webサイトより)

 特定のメーカーではなく、パネルヒーター全般が好調に売れているという。山善が発売する「パーソナルパネルヒーター フリースひざ掛け付」は、在宅勤務時や勉強中の使用を想定し、売り出している。使わない時は折りたたむことができ、収納にも便利だという。

「快眠」が今年のトレンド

 もう1つ、売れ行きが好調なのがパナソニックの「暖房敷きパッド DB-BM1L」。通常の電気敷き毛布とは異なり、就寝から起床まで自動で温度をコントロールする「快温モード」を搭載しているのが特徴だという。

 睡眠中、人の体温は上がるため、暖めすぎないように温度を調整する。あらかじめ設定した起床時間に合わせて緩やかに温度を上昇させることで、目覚めやすい環境を作るのだという。

パナソニックの「暖房敷きパッド DB-BM1L」(同社公式Webサイトより)

 価格は2万円台と、電気敷き毛布としては決して安くはない。それでも売れているのは、「快眠」がトレンドだからだと高澤さんは話す。

 今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」ではヤクルトが製造・販売する乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」がトップ10入りした。ヤクルト史上最高密度の「乳酸菌 シロタ株」を含み、「睡眠の質が向上する」とSNSでも話題になった。

 暖房器具の売れ行きにも、その年の世相やトレンドが色濃く反映されているようだ。

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