武田氏は学校での子どもたちの反応に衝撃を受け、社内の開発会議でジェンダーレスをコンセプトとした商品をプレゼンした。すると、役員やベテラン社員は消極的な反応を示したという。
イトーヨーカ堂の梅津尚宏執行役員は、「確かに、世の中では『ジェンダーレス』というコンセプトの商品が出てきているけど、注意して進めないといけないね」という趣旨の発言をしたと振り返る。梅津氏によると、こうした反応をすると多くの開発担当者は商品化を諦めるケースが多いという。いわば、実質的な“ダメ出し”と考えて間違いないだろう。
しかし、武田氏が粘り強くアピールを続けただけでなく、梅津氏自身も実際に小学校を訪問し、子どもたちの反応を見たことで考えが変わったという。
梅津氏は「私が訪問した小学校では、いわゆる一般的なところだったのですが、トイレの男女を示す色が赤と青ではなく、緑や黄だったのに驚きました。直接触れ合う中で、お客さまである子どもの意見を大事にするべきだと考えるようになりました。売れる保証があるわけではありませんが、『お客さまの声を反映した商品を売ろう』と考えています」「競合がやっているからというわけではなく、お客さまの声から生まれた商品です」と説明する。
最終的には、当者の意思を尊重することにしたという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング