「ジェンダーレス」商品は売れにくい!? ヨーカ堂役員の“ダメ出し”乗り越え開発した子ども用インナー小学校で交流授業を実施(1/4 ページ)

» 2023年02月24日 14時20分 公開
[昆清徳ITmedia]

 セブン&アイ・ホールディングスは、3月1日から子ども用のジェンダーレスなインナーをイトーヨーカドー92店舗とヨークベニマル37店舗で発売する。衣料品のプライベートブランド「セブンプレミアム ライフスタイル」では初となる取り組みだ。

 同社が2月24日に開催した商品展示会で、開発を担当したイトーヨーカ堂の武田一葉氏に話を聞いた。

子ども用にジェンダーレス対応商品を打ち出す

子どもの声を開発に反映

 発売するのは、「毎日着たくなる ボディクーラー タンクトップ」「毎日着たくなる ボディクーラー キャミソール」(ともに759円)、「毎日着たい 綿100% 半袖丸首インナー」「毎日着たい 綿100% タンクトップ」(ともに1199円)だ。グンゼと共同開発したもので、吸汗速乾機能などを備えている。

ジェンダーレスな「毎日着たくなる ボディクーラー」シリーズ

 これらは、実際に小学生から寄せられた意見を反映して商品開発を進めた。同社は2021年度に小学校(4校)で交流授業を何度か実施している。インナーについては授業を計5回実施しており、70人(2校)の声を参考にした。授業では、「私が着たい理想の肌着」をテーマにディスカッションしたり、男女別のカラーアンケートを実施したりした。

 どういった点がジェンダーレスなのか。

 「毎日着たくなる ボディクーラー」シリーズは、透けにくいメッシュを採用しているのが特徴(一般的なメッシュは透けやすい)。性差が目立たないように、女の子から「透けにくいほうがいい」という意見が出たことを踏まえての対応だ。

透けにくいメッシュを利用し、襟ぐりの広さにこだわったジェンダーレスなインナー

 また、襟ぐりの広さにもこだわった。武田氏によると、男の子は服がピタッとくっつくのを好む傾向があり、襟ぐりが広いタイプの服は少ないという。一方、女の子の場合は、インナーの襟が外から見えるのを好まないというトレンドも影響し、やや広い傾向がある。そこで、男女が着用しても違和感のない広さにした。

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