その理由は立地にあるという。
「地方の場合は車社会のため、ロードサイド型のイオンモールが多いですが、首都圏は土地がなく、車社会でもないので大きなショッピングモールの数は限られます。
この首都圏という特殊なマーケットで、駅前の一等地を中心に店舗を構え、年々、縮小しながらも健闘してきたのがイトーヨーカ堂です。14店舗を閉店しても、この立地の良さという優位性を持つ100店舗余りは残る。挽回できる可能性は残されているといえます」(小売・流通アナリストの中井彰人氏)
“地の利”を生かして食品を売りつつ、自社アパレルの完全撤退で空いた「2階」はテナントとして貸し出し、アパレル専門店に入ってもらう──というのが今後の基本戦略になる。中期経営計画では、自社のアパレルからは完全撤退する方針が示された。
「セブン&アイHDの売り上げの9割以上を占めるのはセブンイレブンです。その過半数は食品であることからも分かるように、食品の流通業として国内最大級であることは間違いありません。そのセブン&アイが、ヨーカ堂においても食品を残すのは戦略上の統一性があります」
食品への集中を図るヨーカ堂に、巻き返しの可能性はあるのだろうか。
「セブン&アイ傘下には、福島発の実力派食品スーパー『ヨークベニマル』が入っています。売り場に強みがあるヨークベニマルの手法をイトーヨーカ堂にも展開すれば、食品スーパーとして続けていく余地は十分にあると考えられます」(中井氏)
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