なぜ、今回のキャンペーンを実施することにしたのか。担当者はその背景について、「栄養機能分野を研究しているプロフェッショナルを外部から招聘(しょうへい)し、『食べることで健康を目指す』機能性表示商品や特定保健用商品の開発に取り組んだり、調査実施を通して健康に関するエビデンスの蓄積およびマーケティング活動への活用を行ったりしている」と説明する。
例えば、吉野家は1月30日に働く人を対象にした「朝食習慣と幸せ度・ライフスタイルに関する調査」というプレスリリースを発表している。同調査は、東北大学が100%出資したコンサルティング会社である東北大学ナレッジキャスト(仙台市)などと共同で実施したもので、「朝食頻度が高い人ほど『幸せ度』が高く、『幸せ度』が高いほど『ポジティブな意識』が強い傾向がみられる」としている。
吉野家がキャンペーンを実施して1カ月以上が経過しているが、どういった傾向がみられるのか。
まず、キャンペーンの効果は計画通りだという。朝食利用後に受け取ったクーポンについては、昼よりも夜に利用される傾向が強いという。また、店内で食べるのではなくテークアウト利用するケースも多い。担当者は「本施策実施期間中の利用頻度向上に関してはおおむね達成できたように思うが、朝食利用の定着化や吉野家ならではの朝食の意義訴求に関しては今後の課題と感じている」とコメントした。
競合のすき家では、ごはん、みそ汁、目玉焼き・自社製ベーコン・レタスのプレート、のり、季節の小鉢で構成する「自社製ベーコンエッグ朝食」(390円)などを提供している。また、松屋では、ごはん、みそ汁、選べる小鉢、牛小鉢、のり、お新香がそろった「牛小鉢朝定食」(380円)などを用意している。
朝食メニューの激しい競争が続く中、吉野家は今回のキャンペーンの結果を次につなげられるか。
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