正社員を採用したい企業、コロナ前上回る 最も需要がある職種は?帝国データバンク調べ

» 2023年03月22日 18時32分 公開
[ITmedia]

 正社員の「採用予定がある」と考えている企業は63.0%に上り、2年連続で上昇していることが、帝国データバンクの調査によって分かった。同社は「雇用動向に関する企業の意識調査」の結果を発表した。同調査は2005年2月から毎年実施しており、今回で19回目となる。

帝国データバンクが「雇用動向に関する企業の意識調査」を行った(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

正社員の採用予定がある企業は6割超え

23年度(23年4月〜24年3月入社)の正社員の採用状況について、「採用予定がある」(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)と考えている企業は前回調査(22年2月実施)から0.8ポイント増の63.0%となり、2年連続で上昇した。

 採用人数が「増加する」企業は25.7%と、コロナ禍前の19年度(23.4%)を上回った。

正社員の雇用動向(出所:プレスリリース、以下同)

 採用人数が増加するとした企業からは、「接客スタッフ(主に料飲、宿泊部門)が不足気味のため、新入社員を多めに採用」(旅館、神奈川県)という声や、「技術職については成り手がいないことから、雇用条件や会社自体の魅力作りに力を入れている」(木造建築工事、栃木県)などの意見が見られた。

 一方で、「採用予定はない」企業は26.1%(同1.3ポイント減)だった。回答企業からは「電気代・燃料代の高騰で雇用に回せる余力がない」(普通洗濯、群馬県)や「賃上げ圧力や利益の減少など難題が多く、採用できても維持していけるか疑問である」(ガソリンスタンド、山形県)などの声が上がっており、コスト高騰で従業員を雇う余裕がない企業も一定数存在した。

正社員『採用予定がある』、「医療・福祉・保健衛生」が82.8%でトップ

 正社員の採用予定がある企業について、規模別に割合をみると、「大企業」は86.3%と全体を大幅に上回った。一方で「中小企業」は58.7%、「小規模企業」は41.8%となり、企業規模が小さいほど割合が低くなっている。

正社員の「採用予定がある」割合 規模、業界別

 主な業種別でみると、「医療・福祉・保健衛生」(82.8%)では8割超の企業が採用を予定しているほか、「旅館・ホテル」(79.3%)、「輸送用機械・器具製造」(76.8%)も8割近くに上る。

正社員の「採用予定がある」割合が高い、主な業種

企業が求める職種、販売・営業職が42.1%。求める職種も業種によっては多様化

 企業が求めている職種は、「販売の職業」(42.1%)がトップとなった(複数回答、以下同)。次いで、開発・製造技術者などの「専門的・技術的職業」(33.9%)、一般事務員などの「事務的職業」(20.8%)、役員や管理職などの「マネージメント職」(20.7%)が続いた。

企業が求める職種 上位10職種(複数回答)

 本調査は全国2万7607社を対象にインターネットで実施した。有効回答数は1万203社。調査期間は2月14〜28日。

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