沖縄で一番高い土地はどこ? 住宅地の上昇率は石垣市1位、宮古島市2位全国上位の伸び幅に

» 2023年03月23日 12時13分 公開
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 沖縄県内の2023年公示地価は10年連続で上昇し、工業地の全国トップをはじめ、住宅地と商業地も全国上位の伸び幅となった。住宅地では観光業の業績回復への期待感などから石垣市と宮古島市が上昇率の1、2位に。商業地では交通アクセスが向上した西原町が首位で、隣接する与那原町が続いた。専門家は「コロナの影響が薄まれば、地価もコロナ以前のような上昇傾向になる」と予測した。(政経部・石川亮太)

22年連続で最高価格となった那覇市久茂地の日本生命那覇ビル前=21日

 石垣市の住宅地は昨年の1.9%から13.4%と上昇が続き、上昇幅を大きく広げた。コロナの収束感による観光業の回復への期待に加え、県外者の需要増加、また市中心部の宅地供給不足と市郊外にある旧空港用地の跡地開発などで需要が活発化しているという。コロナ以前から大型リゾート開発などで旺盛な需要があった宮古島市も昨年の5.3%から7.7%に上昇幅が拡大。地価上昇により市街地の住宅が高価格となったことで、相対的に割安感のある市街地郊外で引き合いが強まっていて、宮古島市上野が19.6%で上昇率のトップだった。

住宅地の上昇率が1位となった標準地がある上野野原東方原=21日、宮古島市

 那覇市の住宅地も1.0%から2.2%に上昇幅を広げた。高価格帯の地域でも、横ばい地点が多かった前年から全て上昇に転じ、値ごろ感から引き合いが流れていた郊外地域も引き続き上昇傾向にある。県内の不動産会社の役員は、家族向けの広めの賃貸アパートの供給が不足し、家賃が高くなっていることで分譲マンションを選択する子育て世代が増え、マンションの引き合いが高まっているという。「県内業者に加え、新天地を求めて参入してくる県外業者も多く、土地所有者にとって売り抜ける選択肢が多いことが地価の上昇につながっている」と解説した。

市町村別の地価変動率(対2022年比)

 りゅうぎん総合研究所の及川洋平研究員は、本島北部のテーマパーク着工や中部の米軍基地跡地開発、南部での大型商業施設の建設など各地でポジティブな動きがあると指摘。「コロナ禍で落ち込んでいた需要が元に戻る過程にある。コロナの影響が薄まり、経済がより活発化すれば住宅地も商業地もコロナ以前のように上昇するトレンドになるだろう」と話した。

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