配送面でも、デジタルを活用する。注文から発送までオカド製のシステムで一律管理しており、各ユーザーの注文品の重量を自動で計測。システムが配送トラックの荷台における適切な配置場所を指示し、ドライバーの負担にならない積載になるようデザインする。
配送ルートも効率的なものをシステムが導き出し、ドライバーに指示する。法改正でドライバーの労働時間が厳しく制限されることから、物流業界で各社が対応を進める「2024年問題」も見越した動きでもある。
デジタルによる効率性の追求だけではなく、顧客満足度を高める取り組みも行っている。その1つが配送ドライバーの自社雇用。ECサイトで購入した商品の配送は大手宅配事業社や、委託を受けた外注ドライバーが行うのが一般的だ。
しかし、昨今、悪質ドライバーによる配送時の商品の破損などが社会問題となっている。このため、イオンは自社で独自のトレーニングを受けたドライバーを雇用する。すでに行っているドライバー募集にはさまざまな業種からの応募が相次いでおり、女性比率も20%を超えているという。
もう1つが、配達時間の受け付けだ。ECサイトで購入した商品の配達時間は「午前中」のように、広い時間帯で受け付けることが多い。都市部の共働き世帯の利用を想定するグリーンビーンズでは、午前7時から午後11時まで1時間単位で配達を受け付ける。都市部での共働き世帯の場合、仕事終わりに店舗での買い物が負担になったり、閉店時間に間に合わなかったりするケースが想定される。配達時間の選択肢を増やすことで、通勤途中に数日分の食料をまとめ買いし、帰宅時間に合わせて柔軟に配達する環境を整備した。
「デジタルで効率性を高める中で、商品を渡す時が利用者との唯一の接点。ドライバーによるラストワンマイルの対応が企業イメージに直結する。品質だけでなく接客面も大切にしたい」。吉田社長はこう語り、一連の取り組みの意義を強調した。
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