「何頭いるの?」「鹿まみれ」――近畿日本鉄道が運行するラッピング列車「ならしかトレイン」がSNSを中心に話題を集めている。内装、外装、つり革などいたるところに鹿があしらわれており、かなり力の入った施策のように見えるが、どういった狙いで導入したのだろうか?
同社は2022年12月5日、近鉄奈良駅から神戸三宮駅間などで、奈良の風景と鹿などをデザインしたラッピング列車「ならしかトレイン」の運行を開始。イラストレーターのげみ氏がオリジナルで描き下ろしたイラストを、車体外装に全面ラッピングしている。車内にもげみ氏のイラストや鹿の背中をイメージしたシートなどの装飾を施し、「乗っていて楽しい車両」に仕立てた。
特に目を引くのが、かわいらしい鹿の形のつり革だ。鹿がつり革をくわえているような形状で、筆者はここまでユニークなつり革はあまり見たことがない。
「『車両全てを鹿にする』という思いでスタートしましたので、当然つり革にも鹿デザインを取り込むつもりでした。最初は色を鹿カラーにしたり、ただ人形をくっつけたりする程度のアイデアでしたが、持ち手の丸い形に注目して『これ(持ち手)を鹿せんべいに見立てて、せんべいを食べてる鹿みたいな表現はできないか?』というアイデアが浮かび、デザイン担当者と試行錯誤を重ねて今の形になりました」(近鉄担当者)
好評を受け、23年4月3日には1便増便した。また、「ならしかトレインつり革キーホルダー」も発売している。
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