米国ではどうでしょうか。
マーケティング企業のカタリナが公開したレポートによると、21年米国でのべ2.45億人がセルフレジを利用していて、セルフレジはこの5年で10%伸長したとしています。
チェーンストア最大手のウォルマートやスーパーマーケット最大手チェーンのクローガーなどのチェーンストアのレジの4割がセルフレジを導入していますが、セルフレジとフルサービスレジの両方を使い分けながら買い物するハイブリッドレジユーザーが全体の39%いるのだそうです。
ハイブリッドレジユーザーの使い方を分析すると、1年間に平均で36回の買い物をして、購入総額が1720ドルです。一方でセルフレジユーザーは年5回の買い物をして購入総額は150ドル。ハイブリッドレジユーザーの10分の1です。セルフレジは小型店中心に設置され、単価が低く購入点数も少ない場合が多いためこのような数値になるのだと思いますが、米国でもセルフレジだけを利用する消費者ばかりではないということです。
IT先進国だからといって、レジレスやセルフレジが中心になっているわけではなく、むしろ、シーンに応じて使い分けたい消費者が多いという点は注目です。
セルフレジが使いこなせず、悩んでしまうケースも目立つようになりました。
最近では、ENCOUNTが6月20日に報じた「『キレる気持ちも理解できる』 セルフレジへの“老人の言い分”が『考えさせられる』と話題」という記事が話題になりました。
同記事によると、74歳の父を持つ人が以下のようにSNSに投稿したそうです。
「辛うじてセルフレジについて行けてる前期高齢者:親父殿(74)は『決して肯定はしないけど、店員にキレる老人の気持ちは理解出来るんだよ』と語る。『尋ねる事って恥ずかしいんだよ。自分の無知さや無能さなんか一番直視したくない。ボケが始まってたり肉体の衰えを痛感してる人はなおさらそうだろう』」
父親が漏らしたセルフレジへの本音についてつづった投稿は、1万件を超えるリツイート、4万件のいいねを集めたそうです。
セルフレジ、セミセルフレジが増えるに従い、高齢者の不満やストレスが増えており、それが店へのクレームとなり、店員がその対応に追われるという悪循環になっているケースもあるようです。
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