勝手に深夜残業する部下、成果は出ているが……注意すべきか？ 残業代はどうなる？：裁判に発展したケースも（1/3 ページ）

[林英彦（フォレスト社会保険労務士事務所 所長），ITmedia]

　「夜の方が集中できる」という理由で深夜残業をしている社員がいます。実際に成果は出ているため、なかなか注意しづらいです。しかし、深夜残業代がかさむのは気になります。このような場合、会社としてどのように対応し、コミュニケーションを取るべきでしょうか？

勝手に深夜残業している社員、成果は出ているが注意すべきか？（画像：ゲッティイメージズより）

深夜労働とは

　そもそも深夜労働の定義は、どのようなものでしょうか。労働基準法では、午後10時から翌日午前5時までの深夜業に対して、2割5分以上の割増賃金（深夜労働手当）を払うことが義務付けられています。このことから、この時間帯の勤務を一般的に深夜労働と呼びます。

　なお満18歳未満の労働者については原則として深夜労働は禁止されていますから、例えば高校生のアルバイトを午後10時以降に働かせることはできません。また妊娠中および産後1年を経過しない女性が請求した場合も同様です。これらの制限から分かるように、深夜労働は自然な睡眠リズムや睡眠の質にネガティブな影響を与える可能性もあり、抑制すべきと考えらえております。

従業員は勝手に残業できるのか？