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「褒める」と「叱る」、部下のやる気が上がるのはどっち?やる気を上げたい(2/2 ページ)

» 2023年08月21日 08時00分 公開
[田中伸明ITmedia]
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褒めても動かない部下はどうしたらいい?

 しかし、褒めてもドーパミンが分泌されない人たちがいます。褒められることに慣れているタイプや、過去の失敗の記憶が強すぎて、少しぐらい褒めても反応しないタイプです。

 彼らの脳は褒められても快感を覚えないので、褒め上手の上司は苦労するでしょう。

 そんなときは、反対に叱ってみるのも手です。

 叱るといっても、ただ感情に任せて叱るのではなく、改善点を明らかにした上で、具体的にアドバイスすることが必要です。

 アドバイスを受けた部下が、「次はうまくいく」と思えれば、前ページ「3つの条件」の(1)と(3)に当てはまるため、部下の気持ちも前向きになるはずです。

褒めても動かない部下は……(画像:ゲッティイメージズより)

 とはいえ、こんな時代に人を叱るなんて、リスクしかないようにも思えます。「パワハラ」とか「モラハラ」と非難されるのがオチだからです。

 しかし中には、「リスクを承知で耳の痛い話をしてくれるなんてありがたい」と受け取ってくれる部下もいるはずです。適当なことを言って、お茶を濁していたほうがラクなわけですからね。

 あなたが上司なら、褒めても反応しない部下は叱って伸ばそう!

 あなたが部下なら、叱ってくれる上司のアドバイスに耳を傾けよう!

 脳の仕組みから言えば、「褒めて伸ばす」のが基本ですが、基本に当てはまらないケースも少なくないので困ったときは実践してみてください。

【まとめ】

褒めて伸ばす部下と叱って伸ばす部下の違いを見極めよう!

この記事は、『自分のやる気が上がるのは、どっち?』(田中伸明/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


著者プロフィール:田中伸明

 ベスリ会総院長、日本神経学会認定医、医師会認定産業医、東洋医学会専門医。鹿児島大学医学部卒業後、諏訪中央病院で地域医療に従事。その後、厚生労働省でマネジメントを、マッキンゼー・アンド・カンパニージャパンで経営を学ぶ。その経験を生かして会津大学理工学部、日本大学工学部、京都産業大学経営学部の教授として大学教育に従事。ビジネス領域で活動した医師免許所有者の社会的責務として、日本を支えるビジネスパーソンのメンタル障害を解決することが重要と考え、ベスリクリニックを開設。医学だけでは解決できない問題に対して独自の社会的アプローチを開発するとともに、ビジネスを含め、広くサービスを探査、提供している。著書に『マッキンゼー×最新脳科学 究極の集中術』など。


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