「結論から申し上げると」に少し足すだけ 会話の印象がよくなる3文字は何?得する説明 損する説明(1/2 ページ)

» 2023年09月09日 08時00分 公開
[伊藤祐ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

この記事は、『得する説明 損する説明 できる人の話し方、その見逃せない法則』(伊藤 祐著、SBクリエイティブ)に掲載された内容「結論から申し上げると」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


結論から申し上げると

photo 『得する説明 損する説明 できる人の話し方、その見逃せない法則』(伊藤 祐著、SBクリエイティブ)

 普段のビジネスで使う機会が非常に多いフレーズが、この「結論ファースト」です。「結論から話すようにしようね」と上司や先輩から指摘を受けた方も多いはずです。

 でも、なぜ結論から話すべきなのでしょう? あらためて真正面から問われると、意外と答えづらいですよね。結論ファーストで話すべき理由は、「最も短時間で、かつ誤解が生まれる可能性を最小限にしたコミュニケーションが取れるから」です。

 例えば、もしあなたが大手コンビニチェーンのエリアマネジャーとして働いているとしましょう。残念ながら前月に比べてエリア全体の売り上げが20%減少してしまったとします。あなたの上司である営業本部長は、大慌てであなたのもとに走り寄り、「なんでこんなに売上が下がっちゃったんですか!?」と聞いてきます。

 もし「結論ファーストじゃない人」であれば、こんな形の返答になってしまうかと思います。

 「そうですね、各店舗の売上はそんなに悪い印象ではなくて、むしろ前月に比べると売り上げが増加している店舗のほうが多いぐらいなんですが、でも、おっしゃる通り全体を通して見てみると、なぜか売上が下がっているんですよね。あ、でも前々から問題になっていた横浜店は、やっとスタッフ教育が軌道に乗ってきてクレーム数が減少し、他店舗の平均ぐらいにはなりました。売上という面ではこれからなんですが、立地もいいですし、これからに期待!という感じですね。ただ、いつも好調だった新宿店はなんだかあんまり調子がよくなさそうで、そこは心配なんですよね……」

 いろんな情報をちりばめてはいるものの、上司が欲しい情報を提供することはできておらず、きっと本部長をイライラさせてしまいます。このままだと、「もういいです。いったん全ての店舗の売り上げ情報が分かるExcelやスプレッドシートをください」みたいな形になってしまいそうです。

 あなたが「結論ファーストが習慣づいている人」であれば、こう答えるでしょう。

 「結論から申し上げると、普段最も売上が多い新宿店の不調です。前月比で30%売り上げが落ちてしまっていて、それが全体の売り上げ減少に響いています。新宿店の不調の原因、およびそちらへの打ち手については、本日中には社長への報告資料という体裁でまとめますね」

 「結論から申し上げると」という結論ファーストフレーズを使うことで、スムーズなコミュニケーションになっています。

 上司である営業本部長が知りたい「全体の売上がなぜ減少してしまったのか?」という疑問に対する回答を、一発ですっきり提供できており、この後さらに生産的なディスカッションにつながっていくでしょう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.