観光用では国内初 JTBが沖縄に「人工浮島」を計画

» 2023年11月09日 07時00分 公開
[沖縄タイムス+プラス]
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 JTB沖縄が沖縄県今帰仁村の古宇利島近くの海上に、マリンレジャー拠点となる巨大な人工浮島(ポンツーン)の設置を構想していることが4日までに分かった。関係者によると、2026年夏の開業を想定。年間2万人の来場を目指している。観光用の巨大浮島が実現すれば国内初。JTB沖縄が10月下旬、近隣の漁業協同組合に説明した。

 浮島は古宇利島の東側の海上で、海底に固定したコンクリートブロックにつなぐ。今帰仁村の運天港から船で移動する。台風時には船でえい航し、一時的に待避させる。

東側の海上に人工浮島の設置構想がある今帰仁村の古宇利島=3日

 「エンジンのない船のようなもの」とされるが大きさや詳細な位置は不明。シュノーケルやダイビングなどのレジャー拠点で、食事の提供も予定する。1日200人の利用を見込む。

 JTB沖縄の担当者は取材に「現時点でお伝えできることはない」と回答。その上で「いかなる事業においても地域の皆さまとともに発展することを念頭に、持続可能な事業を展開していく」とコメントした。

 観光用の巨大浮島はオーストラリアなどではサンゴ礁周辺に設置され、人気の観光スポットになっているが、国内の事例はない。

 過去にJTB沖縄が、石垣島西の沖合に縦27メートル、横50メートルの浮島を設置する計画があったが、海底の地形調査で技術的に困難と判断し、断念していた。

 沖縄本島北部には25年、ジャパンエンターテイメント(名護市)がゴルフ場跡地にテーマパークを開業する計画があり、連動した観光資源の開発に期待の声がある。JTB沖縄から人工浮島の説明を受けた漁協の組合長は「観光客に北部へ長期滞在してもらえる期待感はある」と話し、おおむね賛成との見方を示した。

 石垣島沖合への設置が持ち上がった際には、自然環境への影響や汚水の処理法などへの懸念から、白紙撤回を求める約4万8千筆の署名が住民団体からJTB沖縄側に提出された経緯がある。

(政経部・大川藍、國吉匠)

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