高齢者ほど「長く働き続けたい」傾向強く なぜ?パーソル調べ(2/2 ページ)

» 2023年11月21日 07時00分 公開
[サトウナナミITmedia]
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60歳以降で転職する理由

 60歳以降の転職理由について「給料に不満がある」は18.3%となり、21年の8.9%から9.4ポイント増加。一方「倒産/リストラ/契約期間の満了」は10.9%と、21年の19.5%から8.6ポイント減少した。

 結果から、21年に70歳就業法が施行されたことで、企業都合の退職が減少し、給与を理由とした自発的な転職者が増加していると考えられる。また、22年の厚生労働省の調査では、シニア就業者(60代)の18.2%が転職を経験し、他の世代の就業者と比較すると、30代の就業者に次いで多い水準だった。

photo 年代別の転職率、シニアの転職理由(パーソル総合研究所調べ)

 仕事選びの重視点は「通勤の便」が最多で37.8%。「やりがいを感じられること」(34.1%)、「自分のやりたい仕事であること」(33.3%)と続いた。その他「自分の能力や個性を生かせる」「自律的に自分の判断で仕事を進められる」など、過去のキャリアを生かして自律的に働くことを希望する傾向が見られた。

photo 仕事選びの重視点(パーソル総合研究所調べ)

働くことで幸せを感じるシニア世代の割合は?

 働くことを通じて幸せを感じている割合は46.6%と、他年代よりも高い傾向が見られた。また、不幸せだと感じている割合はどの世代よりも低く10.9%だった。

photo 働くことを通じて幸せを感じている割合(パーソル総合研究所調べ)

 過去1年間に成長を実感したシニア就業者にその理由を尋ねた。「仕事にやりがい・意義を感じることができた」が41.9%と最多で、他の年代よりも多い傾向に。一方で、上司からの助言や対話によって成長を感じる機会は、他の年代よりも少ない結果となった。

photo 成長を実感した理由(パーソル総合研究所調べ)

 調査は2017年から毎年2〜3月に実施。全国15〜69歳の有職者1万人を対象としており、そのうちシニア就業者(60〜69歳)、プレ・シニア就業者(55〜59歳)の調査結果を抽出し、発表した。

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