初回契約から保険料割り引き トヨタ「つながる車」向け、あいおいニッセイ同和

» 2023年11月24日 19時35分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 あいおいニッセイ同和損害保険が、通信機能を備えた「コネクテッドカー(つながる車)」のユーザー囲い込みを強化する。運転傾向を分析して保険料に反映する「テレマティクス自動車保険」(テレマ保険)で、トヨタ自動車のつながる車用アプリのデータを活用し、初回契約から保険料を割り引く新制度を来年4月に始める。テレマ保険は継続契約での割り引きが一般的だが、新制度で加入のインセンティブを高める狙いだ。

 新制度では、利用者はまずつながる車用のアプリで「ドライブ診断」をスタート。つながる車から送信される走行データを使って割り出された安全運転スコアを確認する。その上でテレマ保険に申し込めば、初回の契約からスコアに応じて最大8%の割引率が適用される仕組みだ。

 テレマ保険では一般的に、契約後に速度超過と急ブレーキなどの項目で運転傾向を評価し、これに基づいて契約を更新する際に割り引きを適用する。あいおいニッセイ同和は今回、トヨタのつながる車のアプリを活用し、保険加入前の走行データを取得することで、初回契約からの割り引きの適用を実現した。

 民間調査会社の富士経済によると、つながる車の国内新車販売台数は、令和4年の360万台から12年には400万台に拡大する見通しだ。自動車業界関係者は「今後はつながる車に置き換わっていく」としており、あいおいニッセイ同和は増加が見込まれるユーザーの取り込みを図る。

 あいおいニッセイ同和のテレマ保険の契約台数は、5月に180万台を超えた。7年度末までに約7割増の約300万台に増やす目標を掲げる。

 そのため、自動車関連の事業者らとの協業を進め、走行データの取得手段の充実などを通じ、テレマ保険の魅力を高めて加入者を増やす取り組みを強化している。

 来年1月にはナビゲーションサービスを手掛けるナビタイムジャパンと組み、車載機器などの代わりに利用者の手持ちのスマートフォンで運転傾向を分析して保険料に反映させられるテレマ保険の新商品を発売する。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.