リスキリング「未実施」企業は7割 人材育成の課題とは？

[サトウナナミ，ITmedia]

　リスキリングを組織的に推進できていると回答した企業は4社に1社にとどまったことが、マンパワーグループ (東京都港区）と「HR総研」を運営するProFuture（東京都千代田区）による調査で明らかとなった。企業は人材育成にどのような課題を抱いているのか。

リスキリング・アンラーニング起点の人材育成と組織開発調査

人材育成の課題は？

　リスキリングの実施状況について、76％が「行っていない」と回答した。リスキリングを行っている企業を規模別で見ると、1001人以上の企業が39%で最多となった。一方で、301〜1000人の企業は17％、300人以下の企業は15%と、それぞれ2割以下の結果となった。

リスキリングの実施状況（マンパワーグループ調べ）

　一方で、これまでの知識・スキルを見直しながら有効でなくなったものを捨て、代わりに新しい知識・スキルを取り込む「アンラーニング」の実施状況はどのようなものか。実際に「行っている」という回答は9％と、1割に満たなかった。

　取り入れている企業からは「リーダー人材向け研修の一環として実施」（企業規模別：1001人以上／メーカー）、「キャリア休職制度」（企業規模別：1001人以上／メーカー）といった回答が見られた。

アンラーニングの実施状況（マンパワーグループ調べ）

　人材育成全般の課題について「特に課題はない」と回答したのは15%と2割に満たず、約8割の企業が人材育成に課題を感じていることが分かった。

　具体的な回答として、最も多いのは「従業員のキャリア自律意識を高められていない」で47％に上った。以降「管理職層のキャリア自律意識を高められていない」（41％）、「キャリア支援を行うノウハウ・知識が社内で不足している」（37％）と続いた。

人材育成全般の課題（マンパワーグループ調べ）

　調査は8月4〜17日にインターネットで実施。全国の人事責任者および担当者、経営者217人から回答を得た。