東急には、かつて「東急目蒲(めかま)線」という路線があった。目黒と蒲田を結ぶ路線だ。東急グループの中では最初に誕生した路線であるものの、後にメイン路線が東急東横線や東急田園都市線となり、存在感は決して高くなかった。
東急目蒲線は「東急目黒線」と「東急多摩川線」に分割し、東急多摩川線は多摩川駅と蒲田駅を結ぶローカル路線となった。東急目黒線は田園調布駅から武蔵小杉方面に直通することになり、路線の性格を変化させた。
東急の目黒駅が地下化したのは1997年7月。地下鉄と相互直通運転をするようになったのが2020年9月のことである。
それまでは、山手線と目蒲線しかない駅で、都心に向かうには不便なところであった。JR山手線内の駅でありながら存在感はそれほど高くなく、高級住宅街としての側面が強かったといえる。
「良いところだけど、ちょっと不便」というのが、かつての目黒駅周辺だったのだ。
それを大きく変えたのが、東急と地下鉄との直通である。これにより、目黒エリアの都心へのアクセスが大きく向上した。
さらに最近、目黒をめぐって大きな変化があった。
23年3月に相鉄・東急直通線が開業したことで、東急や地下鉄の車両も、これまでの6両編成から8両編成になった。まだ6両編成の車両は残っているものの、全編成が8両になり、混雑も緩和されることになるだろう。
東急目蒲線と山手線の接続駅から、相鉄、東急、メトロ、都営を結ぶ路線と山手線の結節点となり、利便性は大きく向上。その上生活環境も良いとなると、目黒が「住んでみたい街」となるのも理解できるのである。
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