このプロジェクトは2022年11月にスタートしたもので、今回は2回目となる。前回は福祉施設に所属するアーティストが手掛けた作品をトイレ内にデコレーションしていたが、今回は一般公募した作品を採用しているのが大きな違いだ。トイレ問題について、より幅広い人にかかわってほしいという考えからだ。
1回目のプロジェクトに参加した店舗からは「トイレ掃除の回数や手間が減った」「良い取り組みなので、今後も続けてほしい」「『トイレ借ります』と声をかけてくれる人が増えたように感じる」といった声が聞かれたという。
その後、プロジェクトの反響を知った札幌市の2店舗からも「参加したい」という声が寄せられた。そこで、23年5月から当該店舗でもアートトイレを展開することに。
ローソン馬車道店(横浜市)は前回に続き、今回もアートトイレのプロジェクトに参加している。店舗責任者の飯森氏は「アートトイレにしてから、お客さまが明らかにトイレをきれいに使ってくれるようになりました」と説明する。同店では1日4回トイレ掃除を実施しているが、掃除の手間が減ったとも実感している。
飯森氏によると、アートトイレ導入の狙いは単にトイレ清掃の負担軽減だけにあるのではないという。トイレがきれいだと、利用者は自然と退店時に「ありがとう」と従業員に伝えてくれる。すると、従業員はモチベーションが高まり、接客も丁寧になる。トイレをきっかけにお店のファンが増えるだけでなく、店舗全体の雰囲気が良くなる効果を期待しているのだ。
ローソンにとってはどんな発見があったのか。アートトイレの作品公募は同社にとって初めての試みであり、さまざまな苦労があったが、100件以上の応募があったことには手ごたえを感じている。応募者からは「トイレ問題について考えさせられた」といったコメントが寄せられたという。
アートトイレプロジェクトは、多くの人がトイレの大切さを考えるきっかけになるだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング