ビジネス的には資材高騰の局面において早々に施工会社を選定、早めに資材を手配しておいた点にも注目したい。
施工会社の選定は、基本設計を経て実施設計に至った時点で行われるのが一般的だ。だが、Kアリーナでは基本設計が終わった時点から選定がスタートした。3棟で構成される1つの建物で規模が大きい上に、構造が特殊で難易度が高いことが分かっていたため、早い段階からパートナーとして協業することでコストの削減と質の向上、この2つを目指そうと考えたのだという。
「ゼネコンにはそれぞれ得意とする技術があります。それに適した設計にすることで無駄やコストを省き、質を担保しようと考えたのです」(鳥山氏)
実際に施行会社が決まったのは着工の1年前、19年8月。ちょうど資材の価格が上がり始めたタイミングだった。その一方で、東京五輪後には地価、物価が下がるのではないかという風評もあった時期だ。実際にはその後にコロナ禍、そしてロシアのウクライナ侵攻などで資材価格は爆上がり。現在もその状態が続いている。
だが、施工会社を早く決めたことで資材の調達が早く、しかも底値でできた。それが質を下げることなく、目に見えないところでのコストセーブにつながったという。計画通りにオープンできたのもその結果というから、社会が変化している時期には早めの行動は吉といえそうである。
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